性能を落とさずデザインにもこだわりたい。「要望を断らない」自由設計という選択肢
北海道で注文住宅を検討していて、「大きな窓や吹き抜けのある開放的な家にしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。
一方で、「冬は寒くならないか」「暖房費がかさまないか」という不安から、デザインをあきらめかけている方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、高性能な自由設計の家は、断熱・気密設計や温熱シミュレーションを適切に行うことで、デザイン性と快適性の両立を目指せます。
この記事では、デザイン性の高い間取りが性能面で心配される理由から、自由設計で失敗しないための確認ポイント、デザインと高性能を両立する住宅会社3選までを第三者の視点で解説します。
間取りへのこだわりも住み心地も妥協したくない方は、会社選びの参考にしてください。
おしゃれな家は寒いとあきらめる前に。断熱・気密にこだわる北海道の自由設計の住宅会社をまとめてチェックしてみませんか
北海道(道央/道南エリア)の省エネ住宅 | 厳選ハウスメーカー・工務店会社3選
目次
大開口・吹き抜けは寒くなる?というよくある不安
大開口や吹き抜けは、家全体に光と開放感をもたらす人気の設計です。
しかし、「おしゃれな家は寒い」「吹き抜けにすると暖房が効かない」といった声を耳にし、採用をためらう方も少なくありません。
特に札幌市をはじめとする北海道では冬の厳しい寒さが長く続くため、住まいの断熱性能は暮らしの快適さと光熱費に直結します。
実際に、窓や吹き抜けの計画を誤ると、足元が冷える、暖かい空気が上階にたまるといった不満につながる可能性も否定できません。
ただし、こうした不安の多くは「デザインそのもの」ではなく、「断熱・気密・空調をどう設計するか」によって左右されます。
次の章では、デザイン性の高い間取りが性能面で不安視される理由を整理し、両立のための考え方を見ていきましょう。
デザイン性の高い間取りが性能面で不安視される理由
デザイン性の高い間取りが性能面で不安視される理由の一つは、熱が出入りしやすい開口部などを大きく設ける場合があるためです。
一方で、その弱点は設計の工夫によって補うことができます。
ここでは、性能面で心配される理由と、デザインと性能を両立するための考え方を順に解説します。
開口部・吹き抜けは熱損失が大きくなりやすい部位
住宅の中で、窓などの開口部は壁や屋根に比べて熱が逃げやすい部位です。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の資料によると、断熱等性能等級4の住宅(6地域・東京都を想定)では、冬の暖房時に失われる熱の41.2%が開口部から流出するとされています。
大開口を設けるほど、この熱の出入りが大きくなりやすい点は理解しておく必要があるでしょう。
また、吹き抜けは暖かい空気が上へ移動しやすく、1階の足元が冷えやすいという特徴があります。
加えて、窓の表面温度が低いと、冷やされた空気が床へ下りる「コールドドラフト」が起こり、室温以上に寒さを感じる場合もあります。
こうした現象が「デザイン住宅は寒い」というイメージにつながっていると考えられます。

断熱・気密設計次第でデザイン性と性能は両立できる
開口部や吹き抜けに弱点があるからといって、デザイン性の高い家をあきらめる必要はありません。
断熱・気密・窓・空調を一体で計画することで、大空間でも快適な温熱環境を目指せます。
断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)は、数値が小さいほど熱が逃げにくいことを表し、家全体の断熱を強化すれば開口部の影響も抑えられます。
同協会が6地域(東京都を想定)のモデル住宅を対象に行ったシミュレーションでは、断熱等性能等級7相当の住宅における冬の開口部からの熱損失割合は25.3%とされています。
さらに、住宅の気密性能を示すC値(相当隙間面積)を小さくすると、すき間からの空気の出入りを抑えやすくなります。吹き抜けの上下の温度差を抑えるには、気密性能だけでなく空調や空気循環の計画も重要です。
ほかにも、高断熱サッシや複層ガラスの採用、日射を考えた窓の配置、シーリングファンや全館空調による空気の循環などが代表的な工夫です。
大切なのは、デザインか性能かの二択で考えるのではなく、両方を前提に設計できる会社を選ぶことといえるでしょう。

出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「住宅各部位における熱の出入り割合(2025年12月)」
自由設計で失敗しないために確認すべきこと
自由設計で後悔しないためには、性能をどう確保するかまで確認することが欠かせません。
特に大空間を計画する場合は、温熱環境の検証方法と設計対応力の2点に注目しましょう。
それぞれのポイントと、自由設計が向いている人・向いていない人を紹介します。
大空間の温熱環境を確認するシミュレーションの有無
大空間のある家を建てるなら、設計段階で温熱環境をどのように検証しているかを必ず確認しましょう。
図面上でおしゃれに見えても、実際に住んだときの室内の温度分布や体感温度は別に確認する必要があります。
室温や壁・窓の表面温度、空気の流れを事前に計算する温熱シミュレーションを行えば、吹き抜けの上下や窓際など、温度差が生じやすい場所を把握できます。
その結果をもとに、窓の大きさや位置、断熱材の仕様、暖房設備の配置を調整できるのが利点です。
打ち合わせでは、次のような点を質問すると設計の考え方が見えてきます。
- 温熱シミュレーションや外皮計算を実施しているか
- 吹き抜けの上下や窓際の温度差をどのように予測しているか
- UA値やC値の目標値を示してもらえるか
- 結果を踏まえて設計を見直す体制があるか

なお、シミュレーションは一定の条件で計算した予測であり、住まい方や気象条件によって実際の体感は変わる可能性があります。
「要望はできないと言わない」という会社の設計対応力
間取りやデザインを一から考えるフルオーダーの注文住宅では、要望にどこまで応えてもらえるかという設計対応力も重要な判断基準です。
住宅会社によっては構造や仕様のルールが決まっており、希望の間取りや窓の大きさを実現できない場合があります。
要望に対してすぐに「できない」と判断せず、代替案を検討する会社であれば、実現が難しい要望についても、性能とのバランスを考えながら提案してもらえる可能性があります。
ただし、できないと言わないことと、何でも受け入れることは同じではありません。
性能やコスト面のリスクを正直に説明し、代替案を示してくれるかどうかも見極めたいポイントです。

自由設計・デザイン重視の家づくりが向いている人と向いていない人の特徴は、次のとおりです。
向いている人
- 大開口や吹き抜けなど、間取りやデザインに明確なこだわりがある方
- 性能を妥協せず、暖かさと開放感の両方を求める方
- 設計者と打ち合わせを重ねながら家づくりを楽しみたい方
向いていない人
- 間取りへのこだわりが少なく、打ち合わせの回数や手間を抑えたい方
- 建築費をできるだけ抑えることを最優先にしたい方
自分がどちらに近いかを考えたうえで、会社選びを進めるとよいでしょう。
デザイン×高性能を両立する自由設計の住宅会社3選
北海道で、デザインと性能の両方を重視した家づくりに取り組む住宅会社を3社紹介します。
比較の軸は「断熱・気密性能」「設計の特徴」「主な対応エリア」の3点です。
まずは、3社の違いを一覧で確認しておきましょう。
| 会社名 | 断熱・気密性能 | 設計の特徴 | 主な対応エリア |
| 住まいのウチイケ | 平均UA値0.19、平均C値0.30 | 「できない」と言わない提案、営業兼設計の一貫担当 | 室蘭・登別・苫小牧・札幌・千歳など |
| 一条工務店 | グラン・スマート、アイ・スマートは断熱等級7に標準対応 | 全館床暖房、住宅の約80%を自社グループ工場で生産 | 札幌圏をはじめ道内各地に展示場 |
| アイ工務店 | UA値0.28以下、平均実測C値0.32 | 吹き抜け・スキップフロアなどタテ空間を活かした提案 | 北海道エリア15拠点で展開中(うち1拠点は2026年10月17日オープン予定) |
株式会社住まいのウチイケ

| 会社名 | 株式会社住まいのウチイケ |
| 本社 | 〒050-0061 北海道室蘭市八丁平5-44-5 TEL:0143-42-4118 |
| 苫小牧支店 | 〒059-1306 苫小牧市ウトナイ北11-1-1 TEL:0144-84-5655 |
| 公式サイトURL | https://www.uchiike-home.co.jp/ |
株式会社住まいのウチイケは、室蘭市に本社を置き、苫小牧支店と札幌オフィスを構える住宅会社です。
室蘭・登別・苫小牧・札幌・千歳などを中心に注文住宅を手がけています。
最大の特徴は、「できない」とは言いませんと掲げ、技術力や経験を総動員して叶える方法をまず考える提案姿勢です。
担当営業が設計も担い、最初から完成まで同じ担当者が伴走する体制のため、要望が伝わりやすいでしょう。
性能面では平均UA値0.19、平均C値0.30を公表しています。
UA値0.19は、札幌市などの2地域における省エネ基準(断熱等性能等級4)の0.46や、室蘭市などの3地域における0.56を下回る数値です。
ダクトレス全館空調システム「ECO-COO!超」により、エアコン1台で家全体を適温に保つ全館空調の提案も可能です。
吹き抜けや大空間でも快適な温熱環境を目指せる点が特徴です。
「意匠と性能が両立して初めてデザインが成り立つ」という考え方のもと、大きな窓や吹き抜けなど、思い描く空間を高い住宅性能で支えています。
大開口や吹き抜けにこだわりつつ暖かさも妥協したくない方や、担当者とじっくり対話しながら家づくりを進めたい方に向いています。
〇株式会社住まいのウチイケについてもっと知りたい方はこちら
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株式会社一条工務店 札幌展示場

| 会社名 | 株式会社一条工務店 札幌展示場 |
| 住所 | 〒062-0901 札幌市豊平区豊平1-10 北海道マイホームセンター札幌会場 |
| 電話番号 | 011-820-2611 |
| 公式サイトURL | https://www.ichijo.co.jp/area/hokkaido/ |
株式会社一条工務店は、全国で注文住宅を手がける住宅メーカーです。
北海道では累計8,931棟(2026年4月末時点)の建築実績があり、2024年度の北海道戸建着工棟数No.1(住宅産業研究所調べ)とされています。
札幌圏には宮の沢展示場や札幌豊平展示場など複数の展示場があり、実物を見比べやすい環境が整っています。
性能面では、グラン・スマートやアイ・スマートが標準仕様で断熱等級7に対応し、外内ダブル断熱構法と高気密構造で熱の逃げを抑える設計です。
冬の暖かさを支えるのが、生活スペースをほぼ100%カバーする全館床暖房で、家じゅうを24時間暖かく保つことを目指しています。
さらに、熱交換換気システム「ロスガード90」や、住宅の約80%を自社グループ工場で生産する体制も特徴といえるでしょう。
床からの暖かさを重視する方や、高い性能を標準仕様で確保したい方、大手メーカーの実績と展示場で比較検討したい方に向いています。
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株式会社アイ工務店 北海道支社

| 会社名 | 株式会社アイ工務店 北海道支社 |
| 住所 | 〒062-0902 北海道札幌市豊平区豊平2条8-1-30 |
| 電話番号 | 011-699-5388 |
| 公式サイトURL | https://ai-koumuten.info/hokkaido/ |
株式会社アイ工務店は、全国に展示場を展開する住宅メーカーで、北海道エリアで複数の拠点を展開しており、このうち札幌平岡展示場は2026年10月17日のオープンを予定しています。
北海道の気候風土やライフスタイルに合わせた設計を行い、地域のニーズに応える家づくりを目指しているのが特徴です。
設計面では、吹き抜けやハーフ吹抜、スキップフロア、ロフトなど、タテ空間を活かした「アイデア空間」を提案しています。
性能面では、UA値0.28以下の断熱性能と、C値0.32(平均実測値)の気密性能を公表しています。
高性能断熱材を組み合わせたダブル断熱工法に加え、窓には高性能断熱サッシとLow-Eトリプルガラスを採用しています。
全棟で第三者による気密測定を行い、C値0.5以下を約束値として保証している点も安心材料といえるでしょう。
吹き抜けやスキップフロアなど立体的な空間づくりを楽しみつつ、数値で確認できる断熱・気密性能も重視したい方に向いています。
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自由設計・デザイン住宅に関するFAQ
自由設計やデザイン住宅を検討する際に、多くの方が気になる疑問をQ&A形式でまとめました。
費用や吹き抜けの後悔ポイント、性能とデザインを両立する工夫について、結論から順に解説します。
家づくりの判断材料として参考にしてください。
Q1:自由設計は建築費が高くなる?
自由設計だから必ず高くなるわけではなく、建築費は間取りや仕様の選び方によって大きく変わります。
一般的に、大開口の窓や吹き抜け、複雑な形状の屋根などを取り入れるほど、材料費や施工の手間が増えて費用が上がりやすくなるのが実情です。
費用を抑えるには、こだわりたい部分と標準仕様で十分な部分を早い段階で整理し、優先順位をつけることが大切です。
また、断熱・気密性能を高めると初期費用は増える一方で、冷暖房にかかる光熱費を抑えられる可能性もあります。
建築費だけでなく、住み始めてからのランニングコストも含めて総額で比較するとよいでしょう。

見積もりの際は、どこまでが標準仕様に含まれているかを各社で確認しておくと安心です。
Q2:吹き抜けの後悔ポイントは?
吹き抜けでよく挙がる後悔は、「冬に1階が寒い」「音やにおいが2階へ伝わる」「高い窓や照明の掃除が大変」といった点です。
寒さについては、暖かい空気が上部にたまり、足元との温度差が生じることが主な原因と考えられます。
音やにおいは、空間が上下でつながっているため、キッチンやテレビの音が2階の個室まで届きやすくなります。
こうした後悔を減らすためには、断熱・気密性能の確保や空調計画、間取りの工夫などを設計段階で検討することが重要です。
たとえば、シーリングファンで空気を循環させる、2階の個室を吹き抜けから離して配置する、窓や照明のメンテナンス方法を事前に決めておくといった方法があります。
打ち合わせの際は、吹き抜けのメリットだけでなく、暮らし始めてからの手入れや音の伝わり方も具体的に確認しておきましょう。

Q3:性能とデザインの両立にはどんな設計工夫がある?
性能とデザインを両立させるには、断熱・気密・窓・空調をセットで考える設計が欠かせません。
代表的な工夫は次のとおりです。
- 家全体の断熱性能を高め、UA値やC値の目標を設計段階で決める
- 大開口には高性能断熱サッシやトリプルガラスなど、断熱性の高い窓を選ぶ
- 敷地の日照条件や方位を考慮し、冬の日射取得と夏の日射遮蔽を両立できる窓の配置や庇の設計を検討する
- 全館空調やシーリングファンで家全体の空気を循環させる

どの工夫を組み合わせるかは敷地や間取りによって異なるため、温熱シミュレーションなどで効果を確認しながら計画することが重要です。
同じ吹き抜けや大開口でも、会社ごとに得意な手法は異なります。
複数社の提案を比較し、性能の根拠を数値で説明してもらえるかどうかを判断材料にするとよいでしょう。
まとめ
大開口や吹き抜けのある家が寒くなるかどうかは、デザインそのものではなく、断熱・気密・空調の設計次第で大きく変わります。
高性能な自由設計の家を実現するには、温熱環境を事前に検証できるか、要望を形にする設計対応力があるかを確認することが大切です。
今回紹介した3社を選ぶ際の目安は、次のとおりです。
- 大開口や吹き抜けへのこだわりを、全館空調と高い断熱・気密性能で叶えたいなら住まいのウチイケ
- 全館床暖房による足元からの暖かさと、大手メーカーの実績を重視するなら一条工務店
- スキップフロアなどタテ空間を活かした設計と、数値で示された気密性能を求めるならアイ工務店
どの会社を選ぶ場合も、実際の空間を体感し、性能の根拠を数値で説明してもらうことが、納得できる家づくりにつながります。
デザインも性能もあきらめたくない方は、モデルハウスや見学会に足を運び、自分に合う会社を見極めてみてください。
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